ドラマチックな・・ 5月27日’02

 「この写真いいよねー」 写した私と写された奈穂ちゃんが、写真を見ながらお互いに言い合っている、ほめあっている(?)。 ・・っていうこの"図”もなかなかいいじゃない・・などと私は内心思ったりしながら・・。
 いったん公に出た(一応新聞に載ったということは・・)"作品”はけっこう"一人歩き”をするものらしいから、この写真も一人歩きをしているかもしれない・・というところで鑑賞するのもなかなかなのです。(何だかわかったようなわからないような・・??)
 この写真というのは、全国農業新聞の写真コンクールで佳作入選をイタダキマシタ右→の写真。昨年の6月、長男天晃(たかひろ)くんについで、3月末に生まれた二人目の春花ちゃんを抱っこする奈穂ちゃんを撮影したものです。
 奈穂ちゃんが、つれあいの天経君と共に農業を始めたのは’96年のことだから、今から6年前になる。その前年’95年に、あるひょんなことがきっかけで、有機農業志望の当時22歳の天経君が我が家に住み込んで農業研修をすることになり、4月から半年間ほどゆい農園の畑で農作業を共にした。
 奈穂ちゃんと天経君は共に東京生まれ東京育ちで高校の同窓生どうし。天経君が研修中も、奈穂ちゃんは東京から度々ゆい農園には来ていた。そんな奈穂ちゃんに「こっちへ来ちゃえばー」とすすめたら、「来ちゃったー」ともう幾日も経たないうちに本当に来てしまった。すごい!すばらしい・・。やさしさの中の芯の強さと一途さはこれはもうピカイチ。そして空き家と畑を借り、天経君と奈穂ちゃんは農業を始めることに・・。これはもうドラマにでもなるぐらいのいきさつ、ストーリーです、ほんとに・・。理想的ともいえるカップルかもしれません。(ほめすぎ・・?)
 そんな夫婦をカメラに収めたくて、私は時々(っていってもそう度々でもないのですが)写真を撮らせてもらっている。天経君もかなり"絵になる”かっこいい男性なのですが、奈穂ちゃんを、というか奈穂ちゃんと子供を撮るほうが多いかもしれない。やっぱりーというか、男性陣にはわるいかもですが、より命に密接に関わるからか女性のほうがなにかドラマチックにみえるしそう感じられるからかもしれません。
 
 農村の女性(に限らないかもしれませんが)ということでいえば、農村の女性の多くは、なんの立場もなく働いているーというのが現状だと思っている。結婚制度がそうなっているといえばそれまでですが、女性は納税者でもなし、世帯主でもなし、自分名義の田畑があるでもなし、養子縁組でもしていなければ相続権もなし、夫が亡くなった時に夫の財産の三分の一を相続できるだけの立場でしかない。・・のだが、農村の女性はそれはもう働く働く・・。農作業をこなし家事育児、親(多くは夫の)がいれば親の世話・・。これってどこか理不尽なところがあると思いませんでしょうかしら・・。

 話が逸れそうですのでこのあたりはこの辺で・・ですが、そう・・女性のほうが人生としてはより物語的のような気がするのです。おそらく女性は社会的には弱者の立場、でも別の視点からは、女性の力は強いものだと思う。そりゃそうだよね。(何が??) なんてあまり女性を持ち上げると男性もかわいそう(!?)なので、これもこの辺で・・。

 ちなみに、あるひょんなこと・・というのは、その当時あったTV番組の「悪魔のささやき」に天経君が"有機農業貧乏”ででたことで、それを見た啓盟さんがTV局にはがきをだして・・ということです。それがすべて(!?)の始まり・・(これ楽屋裏ー)

 

全国農業新聞
5・17付け
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