自分の頭で・・  12月16日’02

 ノーベル賞授賞式で、田中さんやっぱりダンスは踊りませんでしたね・・。
 「しません、する気もないですー」 さすが田中さん!です。ー何だか何をしても“さすが”なのです・・。

 先日NHKで田中さんの生い立ちや、ノーベル賞受賞協奏曲(狂騒曲・・??)を放送していましたが、その中で印象に残ったことは、田中さんが小学校5年生の時に書いたという作文ー。
メモを取ったわけでもないので、そのままの言い回しではないですが、

 ・・・いくら科学が発達しても、自分の目で視、自分の頭で考えることはいつの時代になっても必要なことだ。・・・

 言い回し・・多分違っていますね。5年生の田中少年が書いたこの言葉、5年生で書いた・・ということもビックリするようなのですが、とても意味のある言葉だとつくづく思い、日が経ってまた、ますますもってその言葉の意味することの重さ!?を強くしたりしている。

 今発売の「クロワッサン」12月25日号で、ゆい自然農園が紹介されています。
 「まともなたべものガイド」を編集している根本悦子さんとクロワッサン編集部の雪嶋さんが吟味して選んでくださった・・ということで、ゆい農園にとっては光栄なことと思っています。
 「あんまり注文が来たらこまるね・・」などど余計な先の心配などをしておりましたところ、お問い合わせやご注文のご連絡は困るほどでもなくほどほど・・。心配は杞憂というところで・・。
 それでも40万部の発行とお聞きしておりましたことを考えれば、‘心配’も的外れというわけでもないのではとも思い、何か原因があるんだろうかーーと、憶測の域をでない私の“頭”でつらつら考えて?みました。
 ・・ところ、これは「JAS認証は受けないが・・」という見出しが原因しているのではないだろうか・・?? ・・と・・。

 根本さんは、「・・・JAS法が変わり、・・・自然食を扱う店やサービスはどこも揺れている。・・・」と書いておられる。消費者の方にとっては、JAS法の表示があるということはそれだけで絶対信用のお墨付きなのでしょう。少なくとも選ぶ際の基準にはなるのでしょうと思います。
 ですから個人の農家が直接販売するところではない、いわゆる流通のところでは、JAS認証を取得した方が有利・・というより、JAS認証という表示がなければ立ち遅れる・・というのかなんというのか・・で、こぞって有機認証を受けましたよ!というアピール!? を開始した。

 ここで田中さんの言葉が重みを増してくる・・!!?
 なかなか実際に自分の目で確かめる・・ということは、物理的にも困難なことが多いことは確かですが、表示に頼り過ぎるのもいかがなものだろうか・・と。
 有機表示に関しては、国の認定を受けた認証機関による認定を受けなければ、「有機」という表示はしてはいけません・・ということにお決めになられました。・・ということは、「有機」という表示は、実際に有機栽培をしているかどうかということよりも、認証機関の認定を受けましたーーという表示なのである。
 その認定も四六時中監視をするわけにはもちろんいかないことですから、書類での申告によるところが大きい。その労力と認証にかかる農家の費用の負担もばかにならないことも確か。ゆい農園は農薬、除草剤、化学肥料の類は一切使用しないで15年が経過したが、認証は受けない。それだけのことである。
 時間と条件がゆるせば、自分の目で確かめるのがベストであるのはいうまでもないことか・・。

 拉致被害者の方を北朝鮮に帰さない・・という国の方針に沿って、被害者の方々は自分の子供たちと離れさせられている。「週刊金曜日」が叩かれた・・。
 着々とイラク攻撃の準備が進んでいて、イージス艦がインド洋に出航した。・・・・・
 なんだか漠然とした怖さを感じる。
 
 ゆい農園も15年前、突然、農薬も化学肥料も使わない有機農業に転換した時は、「変わった人・・」と思われたようだ。周りと違ったことをあえてするのは、一般にはやはり変わり者なのだろう・・。
 だが、この怖さを感じるような今、流れに流されるのでないような“変人”がもっと現れてほしいような気がする。
 自分の目で見て、自分の頭で考えて・・。“変人”田中さんにあやかりたい・・。