テントウムシが農薬・・??   2月14日’03

 テントウムシが“農薬”だったとは今の今までまったく知らなかった。
 テントウムシが“農薬”なら、時おり野菜についた青虫などを捕る私も“農薬”になってしまうのか・・などという笑えぬ笑い話(ってあるのかな?)のようになってしまいそうである。

 無登録農薬問題が発覚して(といってももう15年も前から使われていたそうだが・・)、農水省も農薬取締りを厳重にしなければならない―ということらしく、「農薬取締法」を改定することになり、3月10日から施行されるということらしい。
 それで登録する農薬を確定する作業が進められているようだ。その中で、農薬のように使われているが、人畜などに害のないものを「特定農薬」として登録するということになり、結局、「重曹」「食酢」「ほ場周辺の天敵(ナナホシテントウ、寄生バチ類などだそう)」を「特定農薬」ということで登録されることになるらしい。
 が、これらを農薬とするというのは、農薬という言葉が化学合成農薬を連想させるからと、言い方を「特定防除資材」とか他の言い方にする話が出ているということだ。

 言葉というものは、えてしてやっかいなしろものになるということがある。同じ言葉でも発する人によりその意味やら重みやらがまるっきり違ってくる。行間ならぬ言外の言の葉のほうにこそ言わんとすることが詰まっていたりもする。何をどのように言うか、また逆に何を言わないか・・ハムレットのごとく・・とまではいかなくともなかなか難しかったりもする。(・・なんてこれは脱線・・。)

 何かを定めようとするときはその言葉を定義付けなければならない。が定義付けようとするとまた必ず例外のようなものが出てくる。しかして重箱の隅をつつくような・・・ということにもなりかねない。

 用語というものには、「法律用語」と「一般用語」というのがあって、それは時として別のものだったりするらしい。
 農薬についてもそうらしく、「法律用語」では、「病害虫防除の目的で使用する資材はすべて農薬となる」ということらしく、「農作物等を害する病害虫の防除のために利用される天敵は農薬とみなす」という条文もあるのだそうだ。“利用される”というのがどういう状態をさすのかはわからない。(・・というように何かを定めようとすると延々と言葉を定義付けなければならなくなってくるものだ)
 
 ゆい農園では、アブラムシの天敵であるナナホシテントウムシを見つけたときに捕まえてちょっと違う場所に移動してもらったりもするが、これは「ナナホシテントウムシ」という“農薬”を使った―ということになるのかしら・・?そうなら、ゆい農園は「無農薬栽培ではない」ということになる・・・?? もう頭が混乱してしまいそうである。

 法律は複雑らしい。農薬はあくまでほ場で使う場合のもので、毒性の強い農薬を室内で高濃度で散布しても農薬取締法では「違反」ということにはならない。まったくもって複雑・・。
 
 法律用語と一般用語をあまり区別してほしくないものだ。
 いわゆる一般の化学合成の、人体や環境に影響のある「農薬」を取り締まるのは必要だろうと思う。がそれは罰則を厳しくして取締りが目的のようになってしまうこととは違うだろうと思う。
 環境をなるべく汚染しないよう、人体にも健康被害などを及ぼさないよう、農薬(いわゆる一般の)全体の使用量を減らすということが本来の目的であってほしい。
 
 安全な食べものを求める、食べる、志向する・・・ということは、いろいろな面で大きな大きな意味があると思うのです・・・。
 
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