たかが・・? されど・・? 5月17日’02

 「この家には相変わらず動物性蛋白質がないねー」
 9月から、(ある程度)中国語をマスターしたいと中国に留学する予定で、今、白骨温泉で資金稼ぎの住み込みのアルバイトをしている娘が、休み(9日。木曜)で帰ってきて朝開口一番に曰う。
 「あるじゃないの、ほら・・」と私が差し出したのは、蕨の卵とじ。「うちは野菜が主食なんだからね・・」とちょっと強調したりして・・。
 「これ・・?」といいながら、先にふきの煮物にぱくついている。蕨の卵とじにも箸をのばして、まんざらでもなさそうに口に運んでいる。
 白骨(それにしてもこの地名は誰がつけたんかいな・・。
おもしろい・・)では、連日カニや鍋物やグラタンやら・・と、それこそ動物性蛋白質いっぱいの御ちそう(攻め?)で"恐怖!太る!”なんていうメールを寄こしていたから、それもあって(なくても・・か)その日は、じゃが芋、人参、大根やらの具沢山の味噌汁に、ふきを塩を一つまみ入れてゆでこぼし、皮を引き剥いて適当に切り、ごま油をからめてみりんと生醤油で煮たものと、蕨(啓盟さんが喜んで?たくさん採ってくる)を塩茹でし一晩そのまま水にさらして置いたものを、ちょっと砂糖を加えてみりんと醤油で薄く味付けしてしばらく火にかけちょっと多目の溶き卵をからめた蕨の卵とじがおかず。我が家では(私は!?)これでもう十二分なメニューだ。

 娘に言われるのもまあそれに近く、我が家は食べるものはまず野菜。今ある野菜、穫れる野菜を思い浮かべて(!?)、今日は小松菜と油揚げをちょっと煮浸してーとか、今日はとろろを食べたいなーと長芋をおろしたり、大根食べたいとかキンピラごぼうをたべたいなーとか、食べたいなと思うのが、大体が大抵野菜なのである。でも、でも・・です・・、食事には殆どその都度、魚や卵や肉も大体は食べております。それがほんの申し訳程度の二口三口の量であるにせよ・・ですがー。

 食事に手間隙かけない(かけられない、かけたくない・・??)のが私流(ってほどのおおげさなもんではないか・・)。野菜はいつも極々簡単にお浸しや軽く炒め物、もしくはそのままサラダでーが主。それでもたまに気が向けば時間をかけてシチューを煮込んだりーなんてこともあります。(よくこれで主婦!?をやってる・・?)

 「自分のことは自分でやるのが基本だからねー」 たぶんことあるごとに子供たちに言っていたかもしれない。それで子供たちがどう育ったか・・、結論などどこだか・・だけど、少なくともあまり人に必要以上にはたよらないようではある。啓盟さんも台所に立つのが大好きー。(本人に言わせれば、仕方ないからやってるんだーといったりするがー) うどんや蕎麦などは、オチャノコサイサイでさっさっと打ってしまう。茹でるのもさっさっ・・である。卵を産まなくなった鶏を解体して、ガラ付きの肉で大根やら人参やらを煮込んでいたりする。以前啓盟さんの特製の野菜スープがある集まりの時に皆に絶賛!されたことがあった。もちろんほんとにとても美味しかったのだが、何かプラスαが込められているのを感じてまたいっそう・・そんなスープだった。そういう料理は多分私はまだまだーだし、これからもどうだろう・・・?

 「食」は「人を良くする」なんですね。うーん人を良くするーか・・。たかが・・なんてもんじゃなく、ここはやっぱり"されど”なんだろうな・・。ちょっと己を振り返って考えて見なくてはならないかな・・・

 
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