「畑で野菜のつまみ食い」の紹介 3月22日'02

望月町春日に、一見田んぼの中に佇む昔ながらの普通の古い民家だが、中
は改装して、蕎麦処としてこだわりの(!?)人々が遠方からでも蕎麦を食べに
くる「職人館」がある。そこの館主の北沢さんは、蕎麦を打つ他に、話すのも
文を書くのも秀でる多才な人。その北沢さんが、個人経営でこれもこだわりの
小さな(スミマセン)出版社を江戸川で営んでいる「ふきのとう書房」の目黒さ
んと「調理場談義シリーズ」を始めて、この「畑で野菜をつまみ食い」は、その
パートUです。
 パートUは、職人館に時折見えられる、詩人の谷川俊太郎さん、フォークシ
ンガーの小室等さんに、北沢さんの(独特!?の自分の言葉を持っている)「せっ
かく谷川さんや小室さんがウチに何回も来ていただいているのに、このまま望
月から帰ってもらっていたんじゃもったいない。何か少し、望月の地にすてきな
言葉を残してもらえねぇだろうか?と常常考えていたところ、それが具体的にな
り・・・」ということで、地元で「かたりべの会」(かたりべは酒です。念のため)と
いうのがあり、そのメンバーにお声がかかった。その中の一人に、ゆい自然農
園の由井啓盟も入れていただいた・・ということが、事の発端です。
 まずは畑を見ないことにはーということで、2001年6月、雲上人(!?)のような
谷川さん、小室さん、武満眞樹さん、浅香さんが、ゆい自然農園にいらして下
さり、本のタイトルともなった、畑で野菜をつまみ食いをされたのでございます。
 由井啓盟
さんは、いつも畑にいて言葉をあまり必要としないせいか、ここでも
いろいろはしゃべってはいないのだけれども(もう少しね・・と思うのは贅沢?)、
谷川さん、小室さん、もちろん北沢さん、伊藤さん、天径さんは、含蓄のある味
わい深い、北沢さんの言葉を借りれば、”すてきな言葉”で話されております。
 ー文中よりー
 
谷川 ・・第一次産業が衰退していくっていうのは、高度資本主
      義ではしかたないことかもしれないんですよね。食べ物
      は外国からほとんど入って来るみたいなことははっきり
      あって、だから僕らはいまエリートだ、贅沢だっていうの
      は、第一次産業と、われわれ第三次産業に従事してい
      るものが直結するってときに贅沢ってことになっちゃう
      わけよね。大量消費の世界では、とうていそれはやっ
      っていけないから、農薬ばんばんいれて大規模をやっ
      て、都市のサラリーマンはそれを食わざるを得ないって
      いうことがあるわけだから、それはもう変えようがない
      わけだよね。・・
 なかなか考えさせられる言葉です。今は、本当は当たり前だろうことが特別の
ようになったりすることがままあるようにも思ったりします。もしかすると(もしか
するとーでなくても・・かな)私たちが無農薬野菜作りをしていることは、意識す
るしないとに関わらず、今の社会に対するアンチテーゼなのだろうか・・。食べ物
は安全なものを安心して美味しく食べたい。そういうものを自分で作りたいーと
いうのは、ごく当たり前のように思うのだけれども・・。でもでも、やっぱり経済が
生活が掛かってくると、そう思ってもできないことがままあるのは世の常・・・。
 私たちが、食べてくださる方々のおかげで、無農薬の野菜作りをこれまでやっ
てくることができ(これからもよろしくお願いします。)、これからも続けてやって
いけるだろう・・ことは、幸せなことであると感謝したい気持ちです。
 それにしても社会、世界の流れっていうのは、あるんですよね。だれがどうしよ
うとどうしようもないような”流れ”っていうのが・・・。
 それはそうとして、ゆい自然農園は、これからも無農薬の野菜作りを続けてい
きたい。意にそわないことをやるのはストレスにもなるし・・。今はそれが唯一納
得のいくことだから・・。
 何だか本の紹介から離れてしまいましたが、よろしかったら「畑で野菜をつま
み食い」−読んでみて下さい。私(喜代子)の撮った写真も載っています。
 「ふきのとう書房」はリンクのページでもご紹介させていただいています。
  
       

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全印総連の西村さんが婦民新聞に
投稿され載った記事です。

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