悪運が強い・・??   8月9日’03

 季節はいつも足早に過ぎていく。8月になりようやく梅雨明けと思いきや、汗の噴出す暑さは2日間のみで、立秋の列島を台風10号が通り過ぎて行った。長者原は風雨も強くならず一先ず安心。
 久しぶりに家の中でのんびりと・・・しようと思ったのだが、溜まった洗濯をして、やっぱり掃除もして―、などしてる間に時間は瞬く間に過ぎていく。東京の高校生が4泊5日で体験学習に来て、その時に少々念入りに掃除をしたので、いつもよりは大分増しなのだが、それでも埃と汚れ(だけ)はなんとまあすぐに溜まる。
 ゆい農園の卵を買っていただいている岩村田(佐久市)の美容院へ卵を届けがてら(いつもは取りに来てくださっている)出かけ、2ヶ月ぶりに髪をカットしてもらう・・などしてれば、もう日暮れ間近となる。
 一日24時間を少しでも長く使おうと思えば、二つのことを同時進行させればいいか―と思ったりするが、身は一つ、手が4本あるわけでなし、それもなかなか・・・ナンテ、何をそんなに忙しがっているんでしょうね――。
 
 東京の正則高校の2年生のK君、O君が、体験学習ということで3日から7日までの4泊5日を過ごして無事!帰京した。両親も東京というから生粋の東京っ子。農作業は生れて始めての体験と言っていた。
 無事に・・というのも、長者原生活2日目にして、体感気温は35度にもなるんでは・・という暑さの中の炎天下での慣れない作業に参って、一時食欲も無くなり―ということがあり、どうなることやら・・と心配したりもしたので・・。
 暑さもそうだが、他人の家で他人の生活のリズムに合わせなければならないところに、気疲れもするだろうし、その方がむしろ大変なのかもしれない。
 それでも、朝起きるのに任せたり、昼休みを少し長くしたり、夕方農作業が終わった後に近くの温泉に行ったりしているうちに、元気も回復してきたし、草取りやキャべツの定植などの農作業も熱心に頑張ってやってくれた。
 2年生9クラスの内で、体験学習の農業を希望したのは20名ほどということだから、「えらいね! 農業を体験してみようというのがえらいことだよ―」とほめて? あげる。
 「こういう体験ってなかなかどこでも出来るというものでもないですから、いい機会と思って・・。」と言う。
 ここへ来る前には、剣道部の合宿が山梨であったということだから、がんばりやさんなのである。
 「すごいですね。由井さんたちは朝早くからやって、それに暑い中で働いているのにバテないんですね―」
 「野菜作りって手間がかかるんですね。食べものを粗末にできませんね―」
 素直に感じたことを言ってくれたりする。話を聞くのもなかなかおもしろい。
 「授業で合鴨で米を育てているビデオをみたりしました」
 「いつもは野菜はあまり食べないです」――食べてほしいなァ・・。

 道路沿いに提灯が並んでいて「8月15日は望月町の榊祭りがある・・」と教えたら、「終戦の日ですね」と言う。「へ〜(というのもわるいかな?)、よく知ってるじゃん」「最近社会科で習ったばかりです」
 「僕はゲームをやらないけど、やらない方がめずらしいですよ」 なかなかしっかりと自分を客観的にも見ているのである。
 遊びたい盛りに「こういう機会でないとできませんから・・」と農業を体験しにわざわざ?来るぐらいだから、けっこうしっかりと物事を考え判断してもいる17歳なのである。

 帰る―という日は出荷もなかったので、大河原峠にドライブし、蕎麦処「職人館」でお蕎麦を食べる。
 その足で佐久平駅まで送っていく予定だったのだが、啓盟さんが「家に寄って俺を降ろしてから駅に行ってくれや」というので、そうする。で、私が駅まで送る。
 その帰り道でのこと。車を運転しながら、どうにも眠くなってしまった。眠い、眠い・・を我慢、我慢して、何とか長者原への林の中の田舎の“ハイウェイ”まで来たら、とうとうハンドルを持ったまま眠ってしまったらしい・・というか、眠ってしまった。
 気が付いたら、道路を外れて道横の木も生い茂るブッシュに突っ込んでいた。もうまさに目が覚めた。
 運がいい―というのか、あるいは、悪運が強い―とでもいうのか、たまたま突っ込んだところが、ガードレールや直ぐ下が崖、それとも大きな立ち木・・などではなく、茂みに近いところだったので、車の後部右部分が凹んだぐらいで済んだのだが・・。
 茂みといっても背丈以上の頑丈な草木の中だから、通りがかった車の主は「いったいなにやってんだ」というようにいぶかしげに通り過ぎていったことである。

 「先に降ろして―」とか言った当のご本人様は、昼寝の最中でありました―です。
 一悶着があったかどうかは、ご想像にお任せ致します。
 
 それにしても最近ちょっと睡眠不足気味ではありました。これからは、陽も短くなるし、蒔き付け植え付けや草取りなども緩和されるので、少しは余裕が出てくる筈・・です。

 睡眠不足にはご用心!を――。


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