2000年1月にJAS法が変わり、、有機農産物の表示には、認証機関の検査認定が 必要ということになり、2001年4月より、その制度が施行されています。 (詳しくは日本農林規格) ゆい自然農園の現在の基本的な考え方は以下の通りです。(2002・9・20) |
JAS法が改正される前の農産物に関する農水省のガイドラインが、作付け直前まで農薬を使用しても、その作物にだけ農薬をかけなければ、無農薬栽培と表示できるというような、消費者にはよく分かりにくいものだったし、最近の偽表示の問題のように、市場でシールを売っているという有機シールをただ張りさえすればいいというようなことがあったために、JAS法改正となったのだと理解しています。 が、ヨーロッパの基準を参考にしているためか、集約的で、気候や地理的な違いの大きい日本に適応するのかどうか疑問が残ります。 疑問点 その一 農薬などが飛来しないよう明確に区分されていることの規定が、周辺より4m離れていればいいということ。水田の場合は、間に一枚の緩衝田があればよく、その大きさに規定がなく、ほんの小さなスペースでもよいということらしい。このことに意味があるのかどうか、基準とは一般にそういうものです。3m90cmはだめで、4mならよいというように。 疑問点 その二 例外を設けて、一部農薬の使用を認めているが、例外部分の解釈が曖昧で、拡大解釈になっていくような懸念があるということ。 疑問点 その三 化学的に合成された物質を添加していないということは、どの段階からをさすのかということ。すべての有機物を、播種、生産の段階から無農薬のもので賄うというのは使用量からしても事実上困難であること。 疑問点 その四 出来る範囲でより良い安全なものを作りたいと思って借地などで苦労しながら、新規に参入して有機農業をやっている人たちの努力が、厳密に基準に合っていないからといことで認められず、報われないということになりかねないのではということ。そうなると、大事な事は何かということになってくる。 ゆい自然農園では、1988年より農薬及び除草剤、化学肥料を一切使わない有機農業に転換して現在に至っています。 畑の土作りには、籾殻に鶏糞を混ぜ、何度か切り返して一年程寝かし、発酵させたものを主に使っています。場合により、貝化殻、自家製の草木灰を使用します。 籾殻は、無農薬有機栽培のものですべて賄うのは不可能なので、慣行の栽培のものも使います。鶏糞は、農園の自家飼料で飼育の鶏糞と、岐阜の自家配合の養鶏農家より購入した鶏糞を使っています。 今後は、町に出来た堆肥センターの畜産物の堆肥や、麦科や豆科の作物の鋤き込み、草生栽培なども考えて取り入れていきたいと思っています。同じ科の連作はせず、輪作により土のバランスを保つよう考えて作付けも行っています。 また幸いにも畑がまとまっており、周辺からの影響を受けにくい立地条件にあります。隣接部分に関しては、作付けをしないで、緩衝部分を設けるようにしています。 残留窒素についても、配慮しなければなりません。 改正により、認証機関の検査認証を受けて認められなければ、有機の表示を行えないということですが、ゆい自然農園では、農家側が、決して少なくはない費用と労力を負担しなければならない認証を受ける考えは今のところありません。自らの良心で、自らがチェック機能を果たしていれば、それで十分と考えています。 直接食べてくださっている方にお送りする宅配方式なので、お互いに信頼できなければ継続はできません。疑問点があったら、直接に聞いていただいたり、また畑を見に来ていただける関係ですので、認証云々は必要ないと思っています。 表示は即物表示の場合ということなので、通信などで、これこれこうこうで、有機栽培をしているとかの表記は対象ではないので、それには「有機」の文字は使っていきます。 大事なことは、認証を受けるとか受けないとかでなく、緩やかでも、農薬を使わない有機農業を志す人が、少しでも増えることなのではと思います。 |
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